NTP(米国国家毒性プログラム)による大規模な実験で、携帯電話電磁波を曝露させた雄ラットに心臓の神経鞘腫(シュワン細胞腫)と呼ばれるがんの増加などが見られたことを、会報第101号でご紹介しました。この実験を裏付ける別の大規模実験についての論文がまもなく発表されると、ルイス・スレシン(Louis Slesin)博士が運営する電磁波問題の情報サイト「Microwave News」が伝えています。
同サイトの「偶然の一致どころではない(More Than a Coincidence)」と題する記事(最終更新3月6日)によると、イタリアのボローニャにあるラマツィーニ研究所(Ramazzini Institute)は、合計2448匹のラットに、出生前から自然死まで、1.8GHzのGSM(第2世代移動通信システム(2G)の規格)電波を1日19時間曝露させ続けました。電波の強さは5、25、50V/mの3種類。その結果、雄ラットの心臓部で神経鞘腫を確認したとのことです。
スレシン氏がインタビューした研究者の一人は「心臓の悪性神経鞘腫が超稀少ながんであることを考えると、驚くべきことです」と語りました。
この論文は3月22日以降に査読誌に掲載される見通しとのことです。【網代太郎】
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