イージス・アショア 配置候補の秋田、山口両県に正式通知

読売新聞のウェブサイトより

 政府は陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア(地上イージス)」の配置候補地としていた秋田、山口両県へ6月1日、配置候補地としたことを正式に伝えました。イージス・アショアは強い電磁波を出すレーダーを設置するため、住民への健康被害のおそれがあり(会報第110号参照)、住民などから反対の声が出ています。イージス・アショア2基の設置費用について政府は、昨年12月の閣議決定時に約2000億円としていましたが、6000億円以上に増える見通しとなりました[1]。
 秋田市では住宅地に近接した陸上自衛隊新屋演習場への配備候補地となっています。地元紙が秋田市議39人にアンケートしたところ、過半数の21人が反対またはどちらかといえば反対と答え、賛成またはどちらかといえば賛成と答えたのは4人だけでした。[2]
 もう一つの配備候補地である陸上自衛隊むつみ演習場がある山口県萩市に隣接する阿武町の花田憲彦町長は、大手紙の取材に「賛成できない」と答えました[3]。反対理由として花田町長は北朝鮮方面からの弾道ミサイルに対し、むつみ演習場から迎撃ミサイルを放つと、町の上空をミサイルが飛んでいくことを挙げました。防衛省の説明については「『安全だ』と言いながら『実験はする予定がない』と言うなど、矛盾がある。発射実験もせずに、なぜ安全と言えるのか」と指摘しました。

「調査結果次第で配備しないことも」
 秋田県が6月22日提出した質問状に対し、防衛省から7月19日付で回答がありました。そこには「今後、地質・測量調査及び電磁環境調査等を行うことにより、周辺に対する影響を含めて実際に配置できるか否かを調査し」「仮に不適との結論に至れば、配置しないこともあり得ます」と書かれています[4]。しかし従来から電磁波対策に不熱心である政府が行う調査を信用できるでしょうか。
 北朝鮮がミサイルを撃ってきたらどうするんだ、という主張をも見かけます。しかし、イージス・アショアを含むミサイル防衛システムは、飛んでくるミサイルに対して百発百中とまではできないとの指摘があります。巨額の公金で武器を買いまくるのではなく、ミサイルを撃たせないような外交政策こそ求められます。【網代太郎】

[1]「イージス・アショア 2基で総額6千億円超 関連施設など含めると想定の3倍に 防衛省試算」2018年7月23日産経新聞
[2]「イージス新屋配備、秋田市議も反対過半数 住宅地近さ不安視」2018年7月10日秋田魁新報
[3]「イージス・アショア配備反対の意向 山口・阿武町長」2018年6月28日朝日新聞
[4]秋田県「イージス・アショアに係る質問状への回答及び防衛省による説明について」2018年7月19日

 

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