会報第127号の主な記事

2020.11.29発行

ホンダが自動運転車(レベル3)発売を発表 レーダーなどの安全性に重大な懸念

図1 発売される「レジェンド」の自動運行装置(国交省「世界初! 自動運転車(レベル3)の型式指定を行いました」より)

  本田技研工業(ホンダ)と国土交通省は11月11日、自動運転車(レベル3)の型式認定[1]を世界で初めて行ったと発表しました。この自動運転車「LEGEND(レジェンド)」は、本年度内(遅くても来年3月)の発売を予定しているとのことです。
 自動運転は機能によって五つのレベルがあり、完全な自動運転が「レベル5」です。「レベル3」は、特定の条件下のみ自動運転が可能です(表1)。発売されるレベル3のレジェンドは、強い雨などの悪天候でない時、中央分離帯のある高速道路を走行中に、渋滞か、渋滞に近い状態になり、車線を変えず、時速約50km以下で前の車に追従するなどの条件でのみ、自動運転が可能になるそうです。自動運転中は、つづきを読む

「次世代スマートメーター」の検討を開始 拒否する権利も論点に

資源エネルギー庁「次世代スマートメーターに係る検討について」(2020年9月8日)より

 経済産業省資源エネルギー庁(エネ庁)は「次世代スマートメーター制度検討会」を発足させました。現在、私たちに事実上強制されているスマートメーターは、2014年から本格導入が開始されていました。計量法に基づく10年に1度のメーター交換が始まる2024年度以降は、現在のスマートメーターとは異なる「次世代スマートメーター」へ交換できるようにするために、その仕様などを検討していこうというものです。検討会は1~2カ月に1回開催するほか、検討会の下に設けたワーキンググループ(WG)でも検討し、今年度中に次世代スマートメーターの仕様の基本的な方向をとりまとめるとしています。つづきを読む

東電以外はアナログメーターへ交換  東京新聞が報道

『東京新聞』2020年11月23日付

『東京新聞』は11月23日、スマートメーターを拒否する消費者に対して、全国で東電(東京電力パワーグリッド)だけがアナログメーターへの交換を拒否していると報じました。これは、全国から当会へ来る相談内容とも一致しています。
 同紙が全国10電力へ取材したところ、スマートメーターを拒否する消費者に対しては、各社とも「通信部」を取り外すと回答しました。「以前は、医師の診断書を求められたりしていたが、現在はほぼ無条件で外すようになった。一歩前進だ」という筆者(網代)のコメントも掲載されています。つづきを読む

GIGAスクールで進むWi-Fi整備 「使用時以外オフ」への取組

手元スイッチ

 「GIGAスクール構想」により全国の学校で無線LAN(Wi-Fi)整備が急ピッチで進む中、子どもや教職員ができるだけ電波を被曝しないように、せめて授業で使わない間は無線LANをオフにさせようと各地で取組みがされています。
 GIGAスクール構想とは、小中学校でタブレットなどの端末を児童生徒が1人1台ずつ使いながら授業を受けるための端末配備と、校内無線LANなどの高速ネット通信整備とを一体的に行うという政府の施策です。国内で相次いだ災害からの復旧や、東京五輪後の景気悪化リスクに対応するためとして、昨年(2019年)12月に政府が閣議決定した「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」の中に初登場しました。つづきを読む

5Gは暮らしに必要!? 「5Gで文化財 国宝『聖徳太子絵伝』」を見て考えた

「5Gで文化財 国宝『聖徳太子絵伝』」のトップページ(東京国立博物館のHPから)

 今年9月、上野の東京国立博物館で開催されていた「5Gで文化財 国宝『聖徳太子絵伝』」を見る機会があり、5Gとはどんなものかを体験した。この展覧会はKDDIと東京国立博物館などが共同で行うプロジェクトで、5Gの可能性をアピールする目的があるという。国宝「聖徳太子絵伝」とは仏教を広めた聖徳太子の生涯を絵で伝えるもので、11世紀に描かれたとされている。
 さて、この展覧会の目玉は5Gを利用する絵に描かれた人物がアニメーションとして動き出すことと、超高精細の画像を拡大して見ることができる点である。つづきを読む

銀歯がラジオ電波を受信 テレビのバラエティ番組が取りあげる

「THE突破ファイル」より

 日本テレビのバラエティ番組「THE突破ファイル」で10月29日、幻聴に悩まされていた女性は、実は銀歯がラジオを受信していたというミニドラマを放送しました。日本テレビのウェブサイトには「THE突破ファイル」という番組について「あらゆるジャンルで実際に起きた驚きの突破劇を再取材。詳細な情報を基に物語を再構築し、再現ドラマとクイズで奇跡の突破劇をドラマチックにお届けする新感覚ドラマ&クイズバラエティー!」と説明されています。バラエティ番組なので、このミニドラマが実際の出来事にどこまで忠実に作られたのか分かりませんが、歯科治療で歯に埋めた金属を除去することで電磁波過敏症が改善したという事例は筆者(網代)も数多く聞いたことがあるので、筆者にとっては腑に落ちる内容でしたし、身のまわりの電磁波が健康影響の原因になり得ることを多くの方々に伝えたという意味で、なかなか良い放送内容だったのではないかと思います。つづきを読む

調布市の住宅地で道路が陥没 リニアも採用の大深度地下利用は危険

調布市の陥没事故現場=NHKのウェブサイトより

 東京都調布市の住宅街で10月18日、市道が長さ5m、幅3m、深さ5mに渡って陥没する事故が発生しました。陥没現場の真下の地下47mの「大深度」で、東日本高速道路(NEXCO東日本)が東京外郭環状道路(外環道)のトンネル掘削工事を進めており、これが原因とみられています。さらに事故後の調査で、11月2日に現場の北40mの地中で幅4m、長さ30m、深さ3mの空洞が、そして11月21日に現場近くの地下4mの深さに長さ幅3m、長さ27mの空洞も見つかりました。現場付近の住民からは陥没事故の1カ月ほど前から「振動が感じられる」との苦情が寄せられていました。「大深度地下」の工事、利用は、一般的な地下鉄などに比べ、危険性が高いと言えます。そして、やはり大深度地下にトンネルを掘っているリニア中央新幹線の工事についても、同じことが言えます。つづきを読む

デジタル庁構想の狙いは何か 超監視社会に抗するには

宮崎俊郎さん

 菅内閣の目玉施策である「デジタル庁」。ハンコ廃止とか、コロナ給付金を早期給付できるといったイメージを持っている方も多いと思います。しかし、実はそのような単純な話ではなく、他省庁より権限が強いデジタル庁を創設することで、この国のあり方を根本から変えようとしているのです。私たちの個人情報の一括管理・利用や、行政手続などのデジタル化強制のおそれなど、電磁波問題やその隣接分野として当会報でも取りあげてきたスーパーシティ、スマートメーター、GIGAスクール構想とも軌を一にしている動きです。
 11月6日に行われた院内集会「デジタル庁構想の狙いは何か」(共謀罪NO!実行委員会/「秘密保護法」廃止へ!実行委員会主催)で宮崎俊郎さん(共通番号いらないネット)が講演し、デジタル庁の問題点を分かりやすく解説しています。講演とそのレジメとを要約したものを宮崎さんのご了解をいただいてご紹介いたします。つづきを読む

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