都知事選の主要候補者に5G推進策について公開質問状--4名から回答

 東京都が自ら5G(第5世代移動通信システム)基地局整備を推進するという、都の現在の施策について、「5G電波による健康影響の懸念がある」などとして、市民科学研究室、電磁波問題市民研究会、日本消費者連盟の3団体は、都知事選(7月5日投開票)の主要候補者5名に対して公開質問状を送付しました。
 これに対して、4名から回答がありましたので、ご紹介します。

質問状の全文など詳細はこちらをご覧ください。 

質問

1.東京都が自ら5G基地局の設置を推進する「TOKYO Data Highway 基本戦略」について、あなたはどう評価しますか。

2.あなたが都知事になったときに、この施策を受け継ぎますか、または見直しますか。見直す場合には、どのように見直しますか。

回答

山本太郎候補

回答をいただけませんでした。

小池百合子候補

1 「TOKYO Data Highway 基本戦略」について、どう評価するか
 未来の東京戦略ビジョンで示しました都民の生活の質の向上を目指すスマート東京、その実現の基盤となるのが電波の道、「TOKYO Data Highway」です。5Gの環境整備を進めて、5Gと先端技術を活用する施策を広く展開し、全国の共存共栄、日本の持続的な成長に貢献をしていくためにも、重要な取組と考えております。

2 都知事になったらこの政策を受け継ぎますか、または見直しますか
 電波の道を早期に整備し、デジタルの力で東京の潜在能力を最大限に引き出すためにも、「爆速」でこの施策を進めてまいります。

宇都宮健児候補

1.      5G電磁波は、児童や電磁波に対する感受性の強い人の健康に対する影響が危惧されていることは認識しています。
東京都が自ら5G基地局の設置を推進する「Tokyo Data Highway 基本戦略」については、都民の健康に対する影響評価が適切になされておらず、また、都有施設を特定の事業者に優先的に利用させる政策である点も含めて、その安全性と公正さに疑問があります。

2.      私が都知事となったときには、小池知事のすくなくとも、一旦停止し、電磁波のもたらす健康上の懸念について専門家による会議体を立ち上げて、内外のデータを集めて検討を行ったうえで、判断すべきであると考えます。

小野泰輔候補

1.東京都が自ら5G基地局の設置を推進する「TOKYO Data Highway 基本戦略」について、あなたはどう評価しますか。
 5G戦略は、国際競争に打ち勝つためにも、ポストコロナの成長戦略のためにも欠かせない要素である。基本的に、TOKYO Data Highway 基本戦略を支持し、自由主義に裏付けられた超高速情報化社会を実現していく。

2.あなたが都知事になったときに、この施策を受け継ぎますか、または見直しますか。見直す場合には、どのように見直しますか。
 基本的に受け継ぐ。「特定業者のみに有利に使用させること」という指摘については、就任後より自由な形で展開できないか検討を加える。

立花孝志候補

1.東京都が自ら5G基地局の設置を推進する「TOKYO Data Highway 基本戦略」について、あなたはどう評価しますか。
 いやもうこれはもうガンガンやらなきゃいけないから、5Gどころか6Gに向けてとにかく積極的にやる、だね。

2.あなたが都知事になったときに、この施策を受け継ぎますか、または見直しますか。見直す場合には、どのように見直しますか。
 もちろん受け継いで更にブラッシュアップしていくということだね。こんなものは、5Gが来たら頭おかしくなるとか言ってるやつやろ? 健康被害とか頭がおかしくなるとか。お前が頭がおかしいと言っといて。


新型コロナ対策で進むスマホによる市民統制

新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止策として、世界各国でスマートフォン(スマホ)・携帯電話を使って市民を統制、監視しようとする方法が世界的に広がっています。
 カナダ在住のジャーナリスト・小笠原みどりさんは、このような方法には、以下の3類型があると指摘しています[1]。

  1. GPSによる位置情報をもとに個人の移動経路を追跡し、感染可能性を予測することで、外出許可や自己隔離など、個人の行動を制限するタイプ(中国,イスラエルなど)。
  2. 政府が自己隔離が必要だとした市民を監視するタイプ(台湾、韓国、ポーランドなど)。
  3. 一定時間、ある距離の中に近づいた者同士の情報をブルートゥースを使ったスマホ間通信で記録し合い、いずれかの感染が判明した場合に通知が送られてくる仕組み(シンガポールなど。日欧米でも導入予定)。新聞記事などで「接触確認(コンタクトトレーシング)アプリ」と呼ばれている。

個人情報から感染可能性を判定

健康コードの例。「緑色」の文字も表示されている。http://shanghai-zine.com/topics/1972

 1番目の類型を採用している代表的な国が、中国です。中国IT大手「アリババ」傘下の決済サービス「アリペイ」が2月から、本人についてCOVID-19感染の可能性を示すアプリの提供を始めました[2]。自分のスマホにこのアプリをダウンロードして身分証番号などの個人情報を登録すると、自分が感染している可能性についてアプリが緑、黄、赤の3段階で「健康コード」を表示します。信号機と同じで、緑なら安全という意味です。
 COVID-19の流行以前から、中国当局は治安維持のためにデジタル技術を活用して個人情報を収集してきました。GPSによる携帯電話の位置情報のほか、通話情報、街中に設置された監視カメラからの顔認証技術、各種サービスの利用記録などのビッグデータを企業から収集し、個人の詳細な行動履歴を把握することが可能となっています[3]。
 このような制度を活用し、本人の病歴はもちろん、家族関係や移動履歴などから、感染の可能性を判定する仕組みのようです[4]。
 ネット上には「近所に感染者が出て、コードが(感染リスクが高いとされる)赤になり、外出できなくなった」という武漢市民による書き込みが見られました。しかし、判定の仕組みの詳細は明らかにされておらず、「赤」から突然「緑」に変わるなど、判定の正確さに問題があるとの指摘もあります。

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「コロナ拡大の原因は5G」情報 根拠なく、明らかな誤りも

 第5世代移動通信システム(5G)の電波が新型コロナ感染症(COVID-19)の原因である、または5GがCOVID-19を拡大させているなど、両者を結びつける様々な情報がネットなどで出回っています。もちろん、多くの科学者が指摘しているように5G電波によって何らかの健康影響が発生する可能性はあるのですから、5G電波で免疫力が低下したためにCOVID-19が重症化する可能性を完全に否定することはできません。しかし、今のところ、そのような報告はありません。

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東京都が5G公開質問状に回答

 5G普及を強力に推進する「TOKYO Data Highway(東京データハイウェイ)基本戦略」を掲げている東京都に対して、当会、市民科学研究室、日本消費者連盟の3団体連名で、公開質問状を3月23日に提出しました。その回答が4月16日付電子メールで届きましたので、ここに掲載します。今度とも、再質問などの対応を行っていきたいと思います。

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数万基以上の通信衛星が地球を包囲 衛星コンステレーションとは

 ついに第5世代移動通信システム(5G)商用サービスが始まってしまうことから、5Gについてのご相談や問い合わせが増えています。その中で人工衛星についての質問も寄せられています。この前の記事にある「国際アピール:地上と宇宙での5G廃止に向けて」が「人工衛星からの5G電波」について強調していることを知った方々からの質問です。
 たしかにここ数年間で、膨大な数の通信衛星が配置されようとしているようです。筆者が調べた限りでは、これらの通信衛星は、5Gのためだけのシステムではないと筆者は理解しました。

複数の衛星を連携して運用

図1 衛星コンステレーションのイメージ

 人工衛星による通信サービスは、既にさまざまな場面で用いられています。代表的なものは、テレビのBS・CS放送や、航空機内でのインターネットサービスです。これらは、高度3万6000km付近を地球の公転と同じ速度で回る静止衛星からの電波によって提供されています。
 これに対して、静止衛星よりも地球に近い距離(低軌道の曝合は上空2000km以下、中軌道の場合は2000~3万6000km)に配置された衛星を利用する通信方法があります。これらは静止衛星ではないので、一つの衛星だけでは地上の特定の場所と常時通信することはできません。そこで、数十基以上の通信衛星を打ち上げ、それらを連携させて一体として運用することにより特定エリアまたは地球全域をカバーします(図1)。

 この仕組みは「衛星コンステレーション」(略して「衛星コンステ」)と呼ばれています。コンステレーションは「星座」の意味の英語です。 すでにサービスが提供されている衛星コンステの例としては、66基の衛星による衛星電話(イリジウムシステム)が1998年から開始され、日本でも利用されています[2]。周波数は1.6GHz(Lバンド帯)です。

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日消連Web講座「5G~街中が電磁波だらけに」

日消連Web講座・第2弾「知ってほしい!便利さの裏にある危険」

コロナ禍をきっかけにこれまでの暮らし方を見直そうと、6月にスタートした日消連Web(オンライン)講座の第2弾です。

今回のテーマは「知ってほしい!便利さの裏にある危険」。柔軟剤などに含まれる香りの成分が原因で引き起こされる「香害(こうがい)」、便利で身近な「プラスチック」製品、今春に始まった次世代通信システム「5G(ファイブ・ジー)」を取り上げます。

それぞれの専門家が最新情報を交えてお話しします。ぜひご参加ください。

◆第6回「5G~街中が電磁波だらけに」
日時 2020年7月30日(木)14時~15時半
講師 網代太郎(電磁波問題市民研究会)
参加費 一般800円、日消連会員500円
定員 100名
申し込み 日本消費者連盟
「三密」を避けるため、オンライン(Zoom)を使った講座になります。参加にあたっては、パソコンもしくはスマホが必要です。申込みいただいた方には、開催の前日午後5時までに講座へのアクセス方法等についてお知らせします。
支払方法につきましては、参加申込みをいただいた後、ご連絡します。
申し込み締め切りは、開催日の前日午後2時です。定員に達した時点で締め切ります。


会報第124号を発行しました

5月31日、会報第124号を発送しました。

通常版(紙)

主な内容

  • 新型コロナ対策で進むスマホによる市民統制
  • 「コロナ拡大の原因は5G」情報 根拠なく、明らかな誤りも
  • 東京都が5G公開質問状に回答
  • ナイジェリア上院、5G一時停止を求める決議
  • 米自治体の5G拒否相次ぐ
  • 楽天、衛星と直接通信する携帯電話網の構築を目指すと表明 実現すれば地球上のあらゆる場所に携帯電波が
  • アルミメッシュ網戸で電磁波対策
  • アラバマ州電磁波過敏症2020年宣言
  • 電波利用を助長、ハイテク監視社会へ 悪法「スーパーシティ」が成立
  • 沿線の大鹿村で集会 リニア・ファシズムなど報告
  • 電磁波問題市民研究会2019年度活動報告
  • 各地の取り組み

 

PDF版

 


スロベニアでも5G一時停止

スロベニアの首都リュブリャナで1月25日に行われた反5G行動=Bljesak.infoより

 ヨーロッパ中部スロベニア共和国で、5Gの展開が一時停止状態となっています。
 政府機関である通信ネットワーク・サービス庁(AKOS)のタニャ・ムハ(Tanja Muha)ディレクターは1月9日、5G周波数の割り当てオークションについての通信事業者への説明の場で、事業者が5Gネットワークを設置するには3~5年を要するため、5G周波数の割り当てはまだネットワークを開始することにはならないだろうと述べました。
 会場の外には、5Gに反対する市民約50名がつめかけていました。「人にやさしい技術のための運動(Movement for Human Friendly Technology)」のグレゴル・コース(Gregor Kos)代表は「環境保護法は、十分に証明されていない技術を導入しないことを規定する注意原則を明確に定めている」と述べました。

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