身近な電磁波被曝問題 -学生の我が子、PTA活動、スマートメーター-

N子さん(会員、神奈川県)

 スマホは今や学生にとって必携品である。学校からの授業や事務の連絡、アルバイト先とのスケジュール調整、サークル仲間や友だちとの連絡に使う一般的ツールで、すぐに知るべき情報や返信を要する内容もあり、長女は授業中や携帯電話の電源を切る必要がある場所以外ではスマホを常時接続している。普段は学生寮にいるが、帰省すると私は長女に電源を切ってくれと何度も言う羽目になる。我慢できなくなって数日取り上げてしまったことがあり、その結果、娘は一週間分のアルバイトの稼働を逃した。私は携帯に常時接続している学生と一緒に住むのは自分の身体が苦しいし、中学生の次女になるべく電磁波を浴びせたくないので寮のある大学に行かせてよかったとつくづく思う。

我が子の携帯の使い方に注意
 幸いにも長女は電磁波に過敏ではない。中学卒業まで携帯を持たせず、高校生の時も「外国では子どもはなるべく使用を控えるよう勧めている」と教えて、メールと通話のみ無料契約のガラケーを必要時のみ使うようにしていたのが良かったと思う。今後は就職活動でもスマホが手放せないし、携帯を身に着けて仕事をする人もたくさんいる。電磁波への感受性は、高校卒業後の社会生活に否応なしに大きく影響するので、過敏にならないよう成長期に携帯の電磁波を必要以上に浴びせないことが肝要だ。
 次女が小学校六年生の時、PTA学年委員長を引き受けたが、子どもを持つ親との連絡は相手を邪魔せず済むのでメールが便利に使われる。副委員長は、会議の欠席が多い上、固定電話が家に無い方だった。携帯に電話を掛けると料金が嵩むし、音も途切れがちなので、メール打ちに相当の時間と電磁波被曝を余儀なくされた。しかし、結局メールではいくらやりとりしても心のつながりは得られない空しさを感じた。メールは短い連絡には好適だが、話し合いは電話か対面でなければだめだ。携帯を頻繁に使う活動はもう御免だ。

スマートメーターについて株主提案
 我が子の携帯、PTA活動からの被曝が今は無くなったというのに、スマートメーターという新たな問題が浮上している。日本政府が4月に公表した「2030年度までに温室効果ガスを13年度比26%減」とする削減目標案の前提となる主な省エネ対策の中にはスマートメーターのほぼ100%設置が含まれている(1)。東電の平成26年度報告書には「平成32年度までに当社エリアすべてにおいてスマートメーターを設置するとともに、ガスや水道との共同検針等も実施してまいります。」と書かれている。
 他方、今年の株主総会に向けて株主提案として「スマートメーターへの置き換えは電力消費者の選択とする。」「電力消費者が希望しない場合は既存の電力メーターのままとする。」を定款に追記する旨の議案が出されており、提案の理由として「電磁波汚染源になる可能性の指摘」と「火災や個人情報の漏洩等の問題」を挙げている。東電に利便・利益追求一辺倒ではない見方をする株主もいらっしゃることを大変心強く思う。

泥棒のためのツールになりうる
 前号の会報で、電磁波研のスマートメーター強制設置反対の総務省申し入れと設置拒否した方の体験の記事を拝読した。個人宅におけるスマートメーターへの取替がもう始まっていることに驚いた。電磁波研の申し入れが功を奏しているのか、業者は強制のスタンスを取らず、拒否の意志を示したらすんなり応じたことが書いてあった。私も電磁波を浴びせられるうえ、家庭の情報が30分おきに記録される機器の設置は拒否しよう。不在宅時を把握して盗みに入るツールになりうるのではないかと考えると気持ち悪い。
 しかし、周囲の家々が業者の案内に疑問を持たず応じてしまえば、多くの電波が30分毎に我が家を通過することになる。スマートメーターの健康問題ならびに個人情報保護の観点からの問題点の周知が必要だ。
こうした問題が上がっているのに、スマートメーターは住宅にも本当に必要なのか、設置を進める前に検討してほしい。政府は電気使用量を管理して節電につなげるためとしているが、個人宅から30分毎に情報を収集してどんな対策が講じられるのかが理解できない。スマートメーターの設置は事業所だけでよいと思う。知り合いの事業所は、なるべく外部の人の立ち入りを無くしたいとのニーズに合うことから、スマートメーターを歓迎して取り付けた。住宅には、電気の不用な消費を減らすための情報提供に力を入れるのが有効な適策だと思う。

(1)2015年6月2日付『読売新聞』「温室ガス削減 世界はどう動いているか」より「各家庭でも省エネを進める。電気使用量を管理して節電につなげる「スマートメーター」や、LED(発行ダイオード)など高効率照明の普及率は、ともにほぼ100%を目指すという。」


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