ウソや脅迫でスマートメーター強要の関西電力 患者団体が公開質問状

アナログメーターに交換させた事例も

 当会会報でもこれまで取り上げてきた通り、スマートメーターを拒否する需要家(電気の利用者)に対する関西電力(関電)の悪質さが目立っています。「アナログメーターは製造停止で在庫がない」とウソを言い、需要家が根拠を示してウソだと指摘すると、謝罪するどころか「在庫があってもなくてもアナログメーターには交換しない」と開き直る。また、スマートメーターにしないと「電気を止める」とお客様である需要家を脅迫する。さらに、大阪府の東麻衣子さん(アナログメーターの存続を望む会)の家などで昨年スマートメーターをアナログメーターに交換した例があることを示すと「それは間違った対応でした」と突っぱねる。-そのような相談が、当会にも多く寄せられてきています。
 関電から電気を止めると脅かされた事例が相次いでいるため、化学物質過敏症、電磁波過敏症の患者団体が連名で公開質問状を関電社長宛に送りました。期限内に回答書は届きましたが、海外事情や電磁波過敏症の患者が困っていることについては全く触れない内容でした。公開質問状とその回答について、ご紹介いたします。
 なお、最近になって、関電の営業エリアでもアナログメーターに交換させた複数の事例が寄せられました。
 大阪府のPさんはスマートメーターへの交換を拒否したところ、関電から「電気を止める」と脅されました。当会に相談がきたので「とにかく交換はだめだと言い張らないで『アナログメーターに交換してほしい』の一点張りで伝えてください」とアドバイスしました。それでも相当もめたようですが「アナログメーターに交換できました」と電話がありました。
 その他、社長宛に内容証明郵便を送るなどした結果、アナログメーターに交換できた事例がありました。【網代、大久保貞利】

関西電力への公開質問状

公 開 質 問 状

2016年8月16日

関西電力株式会社
取締役社長 岩根茂樹様

  化学物質過敏症、電磁波過敏症倶楽部
            代表 金城 学
  アナログメーターの存続を望む会
           代表 東 麻衣子

 私たちは、電磁波過敏症で苦しんでいる者たちがメンバーになっている集まりです。電磁波過敏症とは、電磁波への被曝で頭痛やめまい、不眠、どうき、耳鳴りなどの症状を呈する病気で、化学物質過敏症患者の80%は電磁波過敏症も併発しています。
 電磁波過敏症の患者は、総務省の電波防護指針値よりはるかに低い、ごく微量の電磁波への被曝でも体調を崩しますが、スマートメーターから発生する無線周波数電磁波でも症状が現れることが世界各地で報告されています。
 スウェーデンやアメリカでは、電磁波過敏症は障害として認められ、日本弁護士連合会も、人権保障の観点から電磁波過敏症患者を保護するよう求めた「電磁波問題に関する意見書」を2012年に政府へ提出しています。
 電磁波過敏症患者は、できるだけ電磁波に被曝しないように気をつけて生活しています。安息の場であるはずの自宅にスマートメーターを設置されるのは、健康と生命にかかわる深刻な問題です。
 しかも、スマートメーターから発生する電磁波は、世界保健機関(WHO)の下部機関で発ガン物質の分類を行なっている、国際がん研究機関(IARC)が、「ヒトに対する発がん性物質の可能性がある(グループ2B)」と分類した周波数帯でもあり、さまざまな研究で健康影響が指摘されています。
 オーストラリア、ビクトリア州で医師が行なった疫学調査では、スマートメーター設置後、不眠(48%)、頭痛(45%)、耳鳴り(33%)、倦怠感(32%)、認識障害(30%)などの症状が報告されています。この調査では、もともと電磁波過敏症だった人は8%だけでした。スマートメーターの設置は、過敏症以外の方にも健康被害をもたらす可能性が高いのです。
 アメリカ環境医学アカデミーも、スマートメーターの設置を一時停止し、アナログメーターの提供・設置を求めています。
 オーストリア医師会は、スマートメーター等無線周波数発生源が増加していることに言及した上で、電磁波過敏症の症状を軽減するために電磁波を避ける必要性を指摘していますし、国内の専門病院でも同様の指導が行なわれています。
 電気メーターは計量法によって10年毎の交換が義務づけられていますが、関西電力管内の複数の電磁波過敏症患者は、「期限内にスマートメーターへ交換しないなら、電力の供給を停止する」という一方的な通達を関西電力から受けております。私たちが調べた限りでは、給電停止を示唆してスマートメーターへの交換を強引に迫っている電力事業社は、関西電力以外に存在しません。
 関西電力の対応は、憲法第13条で定める「すべて国民は個人として尊重される。」との理念に反し、また、憲法25条で認められた「健康で文化的な最低限度の生活」を、一企業の都合で奪うということです。個人が健康に暮らす権利は何物にも優先する価値であるはずです。
 また、今年4月から施行された障害者差別解消法でも、「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の提供」を定めています。大阪府消費者保護条例でも、「消費者に対する危害を防止すること」「公正な取引を確保する」こと、「環境への負荷の低減その他の環境の保全に配慮すること」などを事業者に求めています。
 関西電力は、患者に対して今後も、無線周波数電磁波を発生させず、安心して使えるアナログメーターを提供し続けるべきです。
 つきましては、下記の質問に対して2016年8月31日までに文書にてご回答を願います。なお、この公開質問状といただいた回答は、他の患者との情報共有をはかるために、インターネットや会報などの媒体で公開します。

質問事項
1.関西電力管内の消費者に対して行なわれている、「スマートメーターに交換しないなら、電力の供給を止める」という電磁波過敏症の者にとっては脅迫行為とも受け取れる手法をただちに、中止していただけませんか? 中止できない場合、その理由もお聞かせください。
2.電磁波過敏症患者にとって、アナログメーターの維持は死活問題です。今後も永続的に、アナログメーターを提供・設置することを公式に発表していただけませんか?発表できない場合、その理由もお聞かせください。

以上です。よろしくお願いします。
[回答の送り先・連絡先](略)

関西電力からの回答

平成28年8月29日

化学物質過敏症、電磁波過敏症倶楽部
代表 金城 学 さま
アナログメーターの存統を望む会
代表 東 麻衣子 さま

関西電力株式会社

スマートメーターに関するご質問への回答について

 平素は弊社事業に格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
 さて、弊社にご連絡いただきましたスマートメーターに関するご質問について、以下のとおり回答いたします。

1.弊社としましては、スマートメーターへの取替に際してお問合せのあったお客さまには、安全性をしっかりご説明するなど、ご理解いただけるよう努めております。電気の供給に必要な設備の設置にご協力頂けない場合にも、可能な限り供給をお断りする事態が生じないよう、お客さまと協議のうえで適切な対応をとるべく今後とも努めて参ります。

2.スマートメーターについては、国レベルでの議論を受け、平成34年度までに全戸に設置する計画として全国で導入を進めているものです。こうした国の方針や、アナログメーターが将来的に製造中止となり、調達ができなくなることなどをふまえ、弊社としては、現時点で永続的にアナログメーターを提供・設置する予定はございません。

以上


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