隅田公園地下に東京メトロ変電所計画 区民の避難場所になんで!?

50mプール大の地下変電所と6階建機器収容無人ビルを計画

変電所立面図

変電所立面図

 東京浅草の隅田川沿いにある隅田公園地下に、東京メトロが、長さ約46m×幅約11m×深さ約15mの50mプール大(深さは15mもあるが)の地下変電所と、そのすぐ近くに6階建の無人機器収容ビルを新設するという計画を進めています。場所は「台東区花川戸(はなかわど)1丁目」。予定工期は「平成29~31年度」としています。
 隅田公園は区立公園で、区民の災害時避難場所に指定されています。建設予定地は東京メトロ銀座線浅草駅から徒歩5分で、観光客が多数集まる観光スポットです。変電所予定地と新設ビルの至近距離に住む服部傳也(はっとりつたや)さんがリーダーとなって、住民有志が強く建設に反対する取り組みに立ち上がりました。

変電所の位置

変電所の位置

「なぜ、変電所が必要なのか」についての東京メトロの説明
 変電所設置の理由として、東京メトロは「銀座線の輸送力増強のため、終点浅草駅奥に210mの折返し線延伸レールを新たに敷設し、列車運行本数を1日あたり25本程度増やすので、浅草駅付近に変電所が必要」旨の説明をしています。
 隣接して新設される6階建無人機器収容ビルの電源容量は500kVAで、「一般の中規模マンションと同程度の電源容量」としています。
 変電所には高圧送電線引き込みが不可欠で、敷設するのは「2万2千ボルトの地下埋設ケーブルが2回線」としていますが、そのルートは「今後、電力会社と協議する予定」と隠しています。

電磁波について「身体への影響は生じないと考えています」
 変電所と高圧送電線の建設となれば、24時間常時被曝による極低周波電磁波の健康影響が懸念されます。しかし、東京メトロはICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)の指針値を理由に、「地下変電所の地上部では、自然界や身のまわりの電気製品から発せられる電磁波と比べても同レベルで、関連する規制値も十分低い値となっております。」「身体への影響は生じないと考えています。」と“安全”を強調しています。

当初の「花川戸公園地下案」はすぐに白紙撤回した
 変電所計画が初めて住民に提示されたのは、今年(2016年)3月に開催された東京メトロの住民説明会です。しかしこの説明会の案内配布範囲は狭く、服部さんには届きませんでした。説明会で提示された案は、浅草小学校の真ん前の花川戸公園の地下が予定地でした。小学校の真ん前で、児童遊戯施設がある公園なので、住民から猛反対され、今年4月13日に開催された住民説明会で、東京メトロは当初案を正式に白紙撤回しました。
 東京メトロの「なぜ、隅田公園に変電所を設置するのか」の説明文書には、「①道路下以外で可能な限り銀座線の終端付近であること。②900㎡程度の床面積を確保できること。③花川戸公園以外であること。」とあります。花川戸公園が住民の反対で白紙撤回したのに、隅田公園ならいいだろうということは、隅田公園ならば反対運動が少ないだろう、と東京メトロが踏んでいるとしか思えません。

10月18日、町会は電磁波安全派を呼んで学習会

対策協議会主催の学習会=11月11日、台東区民会館

対策協議会主催の学習会=11月11日、台東区民会館

 7月19日の住民説明会で、東京メトロは正式に、①隅田公園地下に変電所建設、②江戸通りに210mの銀座線レール延伸工事、③現りゅうぐうビルの解体と同敷地(約200㎡)に地上6階地下1階の配電所用の新設ビル、の3点セットを発表しました。
 10月18日、台東区民会館で町会(花川戸1丁目町会)が協力し、「東京メトロ電磁波健康影響問題勉強会」が開かれました。講師は大久保千代次電磁界情報センター所長で、内容は「電磁波の健康影響は心配ない」「電磁波の値は国の基準やICNIRPのガイドライン値よりはるかに低い」というものでした。
 10月28日、台東区民会館に於いて、東京メトロ主催の説明会が開かれ、その場で「(7月19日の)変電所の説明会における住民からの質問に対する回答」が文書で出されました。これに対し、多数の住民から建設反対の立場から質問や意見が出されました。しかし司会者(東京メトロ)の一方的な質問中止で終了しました。

11月11日、対策協議会が電磁波研を呼んで学習会開く
 住民有志が立ち上げた「東京メトロ隅田公園変電所設置対策協議会」主催による学習講演会が、11月11日、台東区民会館で大久保貞利(電磁波研事務局長)を講師に開かれ、住民ら30名が参加しました。大久保は、「東京メトロが引き合いに出すICNIRPのガイドライン値は、電磁波の刺激作用という急性影響しかみていない。いま国際的に問題となっているのは、電磁波の非熱作用という慢性影響であり、非熱作用は刺激作用よりずっと低い値で健康影響が生じている。助六夢通りを日本のメドウ通りにしてはならない(米国コネチカット州のメドウ通りで変電所と送電線で住民が多数脳腫瘍等になる悲劇が起こった)」と強調しました。

変電所平面図

変電所平面図

なんで、たかが210m延伸でこんな大きな変電所が必要なのか
 東京メトロの説明によると、210mレールを延伸すると「列車の走行には直流400V以上が必要だが、延伸端部の電圧は400V未満となり、列車が走行できなくなる」ため、変電所が必要なのだとしています。ところが、不足分は計算ではわすか「6V」、つまり1.5V乾電池4個分です。それなのに、なんでこんな大きな変電所が必要なのでしょうか。また6階建新設ビルの電源容量は500kVAで「一般の中規模マンションと同程度の電源容量」と説明されています。中規模マンションの変圧設備に大きさに比べ、どうして地上6階地下1階、つまり底面積60坪・7階建てビル相当の配電設備が必要なのでしょうか。東京メトロは説明責任を果たしていません。なにか他に別の意図の大きな計画があるのでしょうか。

助六や幡随院長兵衛もびっくり
 変電所と新設ビルの間の通りは、「助六夢通り」といいます。歌舞伎の演目に『助六』があります。侠客助六に身をやつし仇討の相手を探す曽我五郎の物語で、市川団十郎の十八番です。助六の正式名は「花川戸助六」です。そこから「助六夢通り」が命名されました。
 また、江戸時代前期に活躍した幡随院長兵衛(ばんずいいんちょうべい)は町奴のヒーローで、侠客の元祖といわれる人物です。長兵衛の話もやはり花川戸が舞台です。旗本奴の水野十郎左衛門に謀られ風呂場で斬殺されますが、江戸町民には持て囃された男です。そんな由緒ある花川戸の「助六夢通り」で、とんでもない変電所計画が起こっているのです。
 全国の皆さん、闘う住民に支援を!【大久保貞利】

カテゴリー: 超低周波, 変電所 

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