総務省「先進的な無線システム」による健康影響の検討事項についてパブコメ募集

 今後の実用化・普及が見込まれている、第5世代移動通信システム(5G)、超高速無線LAN、ワイヤレス電力伝送(WPT)などの新しい電気通信によるヒトへの健康影響を評価するために検討すべきことについての意見(パブリックコメント)を総務省が9~10月に募集しました。電波利用促進を所掌する総務省が電波による健康影響の評価について担当すべきではないことなどを主張する意見を、当会は提出しました。
 総務省は「生体電磁環境に関する検討会 先進的な無線システムに関するワーキンググループ(WG)」(主査・平田晃正名古屋大学大学院教授)を9月から設けて、この件の審議をさせています。今回の意見募集結果は11月14日開催のWG第2回会合で報告されたようです(1)。
 なお、WG第1回会合配付資料(2)を見ると、今後市場に登場する「先進的な無線システム」の概要を知ることができます。電波利用がますます拡大し、これまで私たちの身の回りに存在しなかった周波数6GHz、数十GHzの電波も加わって、生活環境中の電磁波がより増やされようとしていることが分かります。
 国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドライン(1998年)は「非常に高い周波数(10-300GHz)では、電磁エネルギーの吸収は主として皮膚の表皮層、皮下組織及び眼球表面に限定される」としており、WGでも眼球への影響などが取り上げられているようです。

「高速無線LANで基準値の77倍の電磁波被曝」と総務省が試算!
 この配付資料で特に目を引いたのは、802.11adという規格の「高速無線LAN」(60GHz)を、現在より出力を上げて利用できるようにする前提で、その電磁波(電力密度)の強さを総務省が試算していることです。それによると、出力24dBm(251mW)、空中線利得16dBiの無線LANのアクセスポイントから1mの距離の電力密度は0.0796mW/c㎡(79.6μW/c㎡)、パソコンから30cmの距離で0.884mW/c㎡(884μW/c㎡)です。日本の曝露基準値である電波防護指針(1000μW/c㎡)を下回っているものの、かなりの強さであり、長期間被曝した場合の健康影響が心配です。
 しかも、より体の近くで使う携帯電話端末から、この新たな無線LAN電波(出力17dBm(50mW)、空中線利得15dBi)を被曝した場合は、距離0~7.2mmで77mW/c㎡(77000μW/c㎡)、電波防護指針の77倍という、とんでもない数値です。

総務省WG配付資料(2)より

 この配付資料で、総務省は、通信相手となる端末以外の方向に電波が照射されないようにする「ビームフォーミング」の機能などにより「人体ばく露量を低減することが可能であると考えられる」と書いていますが、具体的にどの程度低減できるのかは示していません。
 引き続き、私たちが厳しく監視していく必要があります。

(1)総務省「先進的な無線システム関するワーキンググループ(第2回)」
(2)総務省電波環境課「生体電磁環境に関する検討会 先進的な無線システムに関するWG ワーキンググループの検討事項及び進め方について」2016年9月15日

エゾモモンガさん(会員、北海道)による意見

 当会会員のエゾモモンガさんが、ご自身が提出した意見をご寄稿くださいましたので、ご紹介します。


 ◎眼球規制
 携帯端末を、一日3時間使用のヘービーユーザーが、1年365日、12歳から82歳までの70年間の利用を想定して、
 3×365×70=76650
 即ち、各(高周波、超高周波)周波数帯でもって、76,650時間の被曝実証実験を行い、白内障の発症が起きないか否かを検証すべきである。
 一日24時間連続の実験でもって、3,193日と4分の3日。即ち、8年と271日と4分の3日の長期の実証実験と成る。
 この被曝実証実験が、各(高周波、超高周波)周波数帯において終了するまで、新たな周波数帯使用の認可は凍結すべきである。

 ◎金属製ギブス、義足・義手、等の装着者への影響評価について
 生体電磁環境に関する検討では、高周波(超高周波)電磁波からの被曝に、最も弱い立場の人々を基準にして、考慮すべきである。
 世の中には、生まれ付き、全身の骨の発育不全で、両手両足に、金属製ギブスを付けながら、手首の動作だけで操作できる、電動車椅子に乗って、電車や地下鉄を利用している方々も居られる。
 また、交通事故などで、両手両足を骨折治療中の方も、同様であるし、金属製の義足や義手を付けて、公共交通機関を利用している方々も居る。
 金属製のギブスは、それ自体がアンテナと化してしまい、重症の電磁波過敏症を発症することが、世界中で広く知られている。
 そこで、情報通信審議会電波利用環境委員会の各委員全員には、その最も弱い立場の人々の側に、成り代わって頂く、つまり、各委員の両手両足に、金属製ギブスを計8本(関節の前後で分離されるため)、肌に密着させる形で、腕や足に括り付ける。その上を大きめの衣服を着用し、通勤電車や地下鉄に、毎日乗り込んで頂く。
 果たして、公共交通機関を、利用し続ける事が、可能か否かを、各委員の実証実験によってレポートし、その結果を纏めたものを、情報通信審議会電波利用環境委員会に報告発表して頂く事を義務付ける。
 各委員の万一の場合の安全の確保を考慮して、出来るだけ、乗り込む車両の、非常ボタンに近い場所を選んで乗り込んで頂く。また、緊急ホイッスルも携帯して頂く。

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