スマートメーターで東電と会談

当会「強制できないのが当然」
東電「納得いただくよう努める」

東京電力スマートメーター推進室の担当者と当会による交渉=10月29日、東京電力本社で

 当会(電磁波問題市民研究会)は10月29日、スマートメーターについて東京電力(東電)担当者と同社本社で面談し、スマートメーターを拒否したい利用者にスマートメーターを強制しないことの確認などを求めました。東電は回答を避け、スマートメーターを拒否された場合は「スマートメーターを設置させていただくという方針をご説明させていただき、ご納得いただけるように努める」と述べることに終始しました。
 東京電力は2014~2020年度の7年間で、同社のサービス区域全ての需要家(利用者)にスマートメーターを設置する方針です。しかし、スマートメーター設置が進む海外ではメーターが発信する電波による健康影響が問題になっています。また、各利用者の電力使用量データが30分ごとに発信されることからプライバシー侵害や犯罪利用の恐れがあること、電力供給停止などが遠隔操作でできるため悪意を持った者やトラブルによる大停電発生の恐れも指摘されています。

前回は一昨年3月に
 東電がスマートメーター設置を開始する前の2013年7月、当会は東電に対して「質問及び要望書」を提出し、当会と意見交換の場を設定するよう求めました。東電は書面で回答したものの意見交換には否定的でした。しかし、当会の重ねての要求に応じ、2014年3月に意見交換会が持たれました。私たちはスマートメーターの電波の出力や通信頻度を明らかにするよう求めましたが東電は「セキュリティに万全を期す」という理由から開示しませんでした。私たちは抗議し、開示するよう再検討を求めました。また、スマートメーターからの電波の強さの測定調査を求めたところ、東電は実施したいと回答。さらに、従来のメーターからスマートメーターへの交換を希望しない需要家には交換を拒否できることとするよう求めたところ「現時点で具体的な対応方法は決まっておりませんが、今後、お客さまのご要望等をふまえて対応を検討してまいります」と東電は答えていました(昨年3月の意見交換については会報87号又は当会のウェブサイトを参照)。

設置開始後の対応状況を質問
 東電は2014年4月からスマートメーターの設置を始めました。そして前回意見交換から1年が経過し、当会の要求について東電のその後の検討状況を確認するため、当会は今年(2015年)3月24日、東電へ質問及び要望書を提出し、再び意見交換を開くよう求めました。東電は4月23日付の回答書で意見交換開催を拒否しましたが、当会は5月29日付書面で開催を重ねて要求。結局、東電は意見交換会の開催は応じたものの設置済みスマートメーターの通信が7月から始まりバタバタしていて当会に対応する余裕がないとのことで、ようやく10月29日に意見交換会が持たれました。
 この日の意見交換会は、東電からスマートメーター推進室のI課長代理ら3名が参加。当会からは事務局の大久保貞利、相澤愛子、網代太郎と、会員のAさんらが参加しました。
 まず、スマートメーター推進室の態勢について質問。前回意見交換時は30~40名だったが、現在は社員約60名態勢で、今年7月からスマートメーター設備を監視する組織が発足してデータのセキュリティについて24時間態勢で監視しており、また、夜間は社外スタッフが加わっているとの説明でした。

変わらぬ東電の秘密主義
 無線マルチホップ方式のスマートメーターの電波出力及び通信頻度については前回と同様に、いずれも「セキュリティ」を理由に東電は開示を拒否しました。当会は「海外では公表されているではないか」「それらの公表がセキュリティの問題につながる具体的な理由がわからない」などと追及しましたが、東電は「先程申し上げた(セキュリティを監視する)組織の構築、あるいは事故が発生した際に継続的な情報収集が必要であることなど、セキュリティに関してはあらゆる対策をとり神経質になっている」「少しでもセキュリティにつながる情報は出したくない」と言い逃れました。
 また、東電が行ったスマートメーターの電波の測定結果について、東電は「スマートメーターの実際の設備について測定した」「国の定める指針以下であることを確認した」とのみ説明し、測定値などはやはり「セキュリティ」を盾に公表を拒みました。I課長代理は逆に私たちに「測定値をお聞きになって、どう活用されるおつもり?」と質問。私たちは「国の指針値より下の電波でも具合が悪くなるという人が現実にいるからです」等と説明しました。このことは前回から何度も述べているはずです。加えて、当会が「自分の生活環境に、今までなかった未知の物が入ってくるわけなので、それがどういうものか知りたいと思うのが普通だと思わないですか?」と質問しても、I課長代理は「う~ん、未知の物…」とつぶやくばかり。スマートメーターを心配している人々の気持ちを真剣に考えたことがなさそうだという印象を受けました。
 スマートメーターについてもっと情報を出すよう、再検討を求めましたが、東電は「何度も質問いただいているので、かなり社内でも議論はしていますが何度言われてもたぶん(公表できない)」という後ろ向きな回答でしたので、私たちは抗議しました。

「説明してご納得を」を繰り返す
 最後に「スマートメーターの設置は強制すべきものではないですよね」と確認を求めたところ、東電は「スマートメーターを設置させていただくという方針をご説明させていただき、ご納得いただけるように努める」と回答。「納得できなかった人には強制しないで」と求めても「説明して納得していただくよう…」と繰り返すだけでした。一方で、さすがに「強制します」とは東電は言いませんでした。
 参加した会員のAさんは「東電が『説明します』と言っているわりには、今日も具体的な数値とか何も出てこない。これでは全然納得できない」と感想をおっしゃっていました。
 時間が30分と限られていたこともあり、十分にはやりとりできませんでしたが、今後とも東電に私たちの声を伝え続けていきたいと思います。【網代太郎】


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