海外でスマートメーターから発火して火災になる事例が報道されていますが、日本でもスマートメーターによる火災が発生していました。インターネットの「事故情報データバンクシステム」に、東京都内で今年1~5月に発生した「火災事故」計4件が登録されていることを「アナログメーターの存続を望む会」の東麻衣子さんが見つけて知らせてくださいました。
事故情報データバンクシステムは、関係行政機関が保有する生命・身体に係る消費生活上の事故の情報を一元的に集約したデータベースで、消費者庁と独立行政法人国民生活センターが連携して運営しています。だれでもインターネットを通じて、検索することができます。
「スマートメーター」のキーワードで検索したところ、19件存在し、そのうち冒頭の4件が火災についての情報でした。いずれも東京都内で「現在、原因を調査中」とされています。
同システムのウェブサイトの「お問い合わせ」のページには「個別の事故情報についてのお問い合わせにはお答えできません。」と記載されています。そこで、これらの事故について11月15日に東京電力に電話で問い合わせましたが、この会報を発行するまで回答は得られませんでした。
健康被害の訴えも
同システムに収載されているスマートメーターについての事故は、火災4件の他に、健康被害や体調不良の発生が12件ありました。また、健康被害への不安や、スマートメーターを断ったが電力会社が「国策だ」と応じてくれない、といった訴えもありました。
海外での発生例
米国では、スマートメーターによる火災が相次ぎました。日本経済新聞のウェブサイトの記事「相次ぐスマートメーター設置拒否 米電力会社の憂鬱」(2014年10月18日)は、以下の通り報じています。
・ネバダ州では、スマートメーターが発火して火災に発展したという報告が、これまでに9件あった。
・2014年7月末には、オレゴン州の電力会社が、火災発生の懸念から、7万台のスマートメーターを取り替えることになった。製品自体にリコールはかかっていないが、電力会社は安全性を重んじて、自主交換に動いた。
・ペンシルバニア州の電力会社も、設置したスマートメーターが過熱・発火して火災が生じたために、全てのスマートメーターを自主的に取り替えた。
・フロリダ州の電力会社も、2014年8月に1万台以上のスマートメーターを取り替えると発表した。
オーストラリアのテレビニュースは2012年、スマートメーターの火災事故をとりあげ、オーストラリア国内でスマートメーターが爆発する事故があったこと、また、スマートメーターから発火して炎上する米国内で起きた事故の衝撃的な映像を放送しました。【網代太郎】